ヒアリに続き、日本に生息していないアリが愛知県名古屋港で見つかりましたね。アリ研究家の寺山守博士が、「ハヤトゲフシアリ」という和名を付けました。このアリは、オーストラリアでは「ブラウジングアント(Browsing ant)」と呼ばれている危険なアリなのだそうです。
ブラウジングアント(Browsing ant)とは、「食う」という意味があり、「かじりアリ」とも呼ばれ、アリ研究家の寺山守博士によると、別名「アリ食いアリ」とも呼ばれるとのことです。
いろんな名前で呼ばれているこのアリ、いったいどんな特徴を持つアリなのでしょう?生態は?繁殖力は?日本にはすでに定着しているのか?どんな危険を及ぼすのか?ヒアリのような猛毒を持っているのか?
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この記事の内容
和名「ハヤトゲフシアリ」(ブラウジングアント(Browsing ant))の特徴は?

引用元:Fuji News Network
ハヤトゲフシアリと名付けられたアリは、南ヨーロッパが原産だといいます。南ヨーロパとはヨーロッパの南部で、イタリアやスペイン,ポルトガル,ギリシアを中心とする地域の事をいいます。日本とよく似た気候ではないでしょうか?
ハヤトゲフシアリの特徴は、
- 2mmほどの小さな体
- 足が長くすごいスピードで走る(これだけ長い足を持つアリは、他に1~2種いるかどうか(寺山博士談))
- 動きが速い(100m走をすればダントツで優勝の足の速さらしいです!ニュースで見ましたが、あたかも早回しをしているように見える動きの速さでした!)
- 繁殖力の高さ
- 他の昆虫を生け捕りにする凶暴性(自分の体よりも大きな昆虫も生きたまま運んでいました!)
- 生態系を破壊する侵略性の高いアリ
すでに、数千万の働きアリがいる可能性があるとのことです。
和名ハヤトゲフシアリの由来
アリ研究家の寺山守博士が付けた和名の由来は、
ブラウジングアント(Browsing ant)の早く動き回るという最大の特徴をとって、
- ハヤトゲフシアリの「ハヤ」
そして、胸部と腹部の間の結節部分の先端にある「トゲ」から、
- ハヤトゲフシアリの「トゲフシ」
ということで、「ハヤトゲフシアリ」という和名になりました。
ブラウジングアントの特徴と見た目の姿をあわせて、とてもわかりやすい和名ですね。
なるほど!!と感心してしまいましたが・・・和名が付けられるということは、「日本に定着している」と専門家の先生たちが認識したという事なのでしょう。どんな危険があるのか謎だらけのアリが定着したとなると、和名がとてもわかりやすい!と感心している場合じゃありませんね。
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繁殖力は?日本にはすでに定着しているのか?
名古屋港のブロック塀で囲まれた区画の一面全て300m以上の領域がハヤトゲフシアリ(ブラウジングアント)の巣になっており、かなり巨大なコロニーを築いているということです。
働き蟻に混ざって、平気で外を高速で歩いている女王アリまでいる程です。引っ越しして、新たな場所に巣を作ろうとしている行動です。すなわち、繁殖力がものすごく高い!という事ですね。
名古屋港は、すでに2~4年になり、すでに定着していると寺山博士は見ているようです。ヒアリの繁殖力の高さも飛び抜けていますが、ハヤトゲフシアリ(ブラウジングアント)も、ヒアリに負けていないということです。
いったい、どれほどのスピードで増殖していくのかと恐ろしいです…。→ヒアリの女王アリの習性が桁違い!1日の産卵数や巣に存在する数に驚愕!
寺山博士によると、ハヤトゲフシアリ(ブラウジングアント)は、ヒアリやアルゼンチンアリ以上の破壊力を持っている危険性があるとのこと…。
ヒアリは油を好物としているらしく、人間に与える毒も怖いですが、配線に入り込んで信号などの電気機器を破壊するという危険性も持っています。→ ヒアリの好物は油!繁殖する可能性のある注意すべき身近な場所は?!
今回見つかったハヤトゲフシアリ(ブラウジングアント)は、日本の在来種を食いつぶし、生態系を破壊してしまう恐れがあるということです…。
ハヤトゲフシアリ(ブラウジングアント)は、ヒアリのような猛毒を持っているのか?
ヒアリのような猛毒はないようです。
とはいっても、急速に生息域を拡大しているものの、ハヤトゲフシアリ(ブラウジングアント)は先進国ではオーストラリアでの侵入確認くらいしかされていないようです。そのため、研究が進んでおらず、どのような危険があるのか、まだ謎が多い状態です。
環境省では、このアリの情報を集め、危険があるとわかれば「特定外来生物に指定することを検討する」とコメントしています。まだ日本では見つかっていなかったアリが、実は数年前から既に日本にいて、定着していたと考えると、必要以上に怖がらないようにと言われていても、なんだか怖いですね。
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まとめ
- ヒアリに続き、日本に生息していないアリが愛知県名古屋港で見つかった。
- 見つかったアリは南ヨーロッパが原産でオーストラリアに定着しており、ブラウジングアント(Browsing ant)と呼ばれている。
- アリを生け捕りにして食べることから、「アリ食いアリ」や「かじりアリ」という別名もある。
- 日本では寺山博士により「ハヤトゲフシアリ」と名付けられた。
- 2mmという小さな体・足が長い・すごい速さで動く・繁殖力が高い・他の昆虫を生け捕りにする凶暴性があるという特徴を持っている
- ヒアリのような猛毒は持っていないが、生態系を破壊しヒアリよりも危険かもしれないアリである。
- まだ謎だらけである。
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