北海道警の嘱託警察犬に柴犬が任命されましたね!柴犬で初めて警察犬になったのは、岡山県の二葉ちゃんです。今回、桃太郎くんは、柴犬としては、2番めに警察犬に合格したワンコさんということです。
警察犬には不向きとされる柴犬ですが、2頭も警察犬に合格している子がいるということは、育て方や訓練次第で、充分、警察犬としての要素を兼ね備えているという事なのでしょうか?桃太郎くんと二葉ちゃんは、不向きと言われる柴犬でありながらも、どうやって「警察犬」に合格したのでしょうか?調べてみました。
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日本で初めての柴犬警察犬は、二葉さん
和犬は、マイペースで自立心が強く頑固な面があるため、警察犬には向かない。そのイメージを破り、見事警察犬に合格した日本初の和犬は、柴犬・二葉さんです。2011年のことでした。当時は、まさか柴犬が?!と注目を浴びることになりました。
警察犬に採用されるのは、ジャーマン・シェパードや、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーなどのように、人間に従順で順応性に優れている洋犬が圧倒的に多いとのことです。
特に、ジャーマン・シェパードは、一生懸命、人間の言うことを理解し、その期待に答えようと頑張る犬種です。「俺がやらねば誰がやる!」と必死に任務を遂行するので、海外でも、多くの警察犬がジャーマン・シェパードを採用しています。
二葉さんが警察犬になれたのは・・・
はじめての柴犬警察犬「二葉物語」文:秋山みつ子さんの本を読むと、二葉さんが、どんなに可愛がられて育ったかがよくわかります。
犬の訓練所を経営する訓練士さんの元で生まれ育った二葉ちゃん。お母さん犬の名前は、二歩(にほ)さん。
訓練士さんは、お母さん犬の二歩さんを育てた経験から、二葉ちゃんがどんなヤンチャをしても、人や他の犬、二葉ちゃん自身に危害が及ばないかぎり、叱らなかったそうです。犬にダメなことを教えるには、ダメなことをした時、瞬間的に、短く叱るというやり方をします。
いたずらをした後にクドクド叱っても、犬は、なぜ叱られているか分からないからです。その場で、即、叱る。それをすることで、犬は、人間社会のルールを学びます。
でも、二葉ちゃんの母犬の二歩さんは、柴犬ゆえなのか…二歩さんの性格なのか…。「叱られた」ことを敏感に感じ取り、人の顔色を伺ってしまったり…という部分があったそうです。柴犬の難しさなのかな…と、訓練士の飼い主さんは、「二葉物語」という本で語られています。
危険が及ぶ事以外は叱らず大らかに育った二葉ちゃんは、探究心の強い、天真爛漫な性格に育ちました。柴犬ならではの難しさに直面しながらも、二葉ちゃんの訓練士さんは、冷静でありながらも大きく深い愛情を持って、クリアしていきます。そして、3度めの挑戦で、見事、警察犬に合格するのです。
桃太郎くんが警察犬になれたのは・・・
桃太郎くんも、きっと、訓練士さんと飼い主さんの、並々ならぬ努力と愛情があっての合格なのでしょう。二葉さんと同じ、3度めの挑戦で合格を勝ち取っています。「頑固でなつきにくい」と表現される芝犬ですが、「人間との心地よい距離感」というものを、持っているのでしょう。
二葉物語でも、「柴犬は、自分が「やらない」と決めたら何を行ってもやらない。」という文章が出てきます。
しかし、その後に続きます。「そんなちゃんちゃな部分を、うまくあやしているのだろう。信頼関係ができている。」「犬の才能を生かすのは、指導手の褒め方や接し方次第。」「人犬一体」という言葉があるそうです。柴犬であっても、そのほかの犬種であっても、きっと、人との信頼関係あってこそなのだろうなと感じます。
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警察犬や災害救助犬は、嘱託犬制度と直轄犬制度の2種類がある
桃太郎くんや二葉さんは、「嘱託警察犬」です。1952年に一般の家庭で飼われている犬を訓練して警察犬としてつかう嘱託犬制度が取り入れられたそうです。警察が直接、面倒をみたり訓練したりする直轄犬制度との2種類があるのです。
警察犬に合格した犬は、1年間その任務につきますが、お仕事がない時は各家庭で過ごし要請があった時に出動します。嘱託警察犬は、ボランティアで成り立っているので、出動要請があれば飼い主さんはお仕事を休んで、犬と共に現場へと向かうのだそうです。
危険な現場ばかりのお仕事ではなく、警察署の1日署長などのPRのお仕事もあるとは思います。でも、車で2時間以上かかる現場まで出動し、何時間も歩きまわっての捜索。足元が悪い山の中を、行方不明の方を探す姿。人と犬が、一体となり、使命感も持って全力を尽くす尊い姿。かわいく、愛らしい、芝犬が勇敢に働いてくれる姿を想像すると、胸が熱くなります。
まとめ
2016年、北海道での初めての柴犬警察犬桃太郎くんが誕生しました。納豆が好物の3歳の男の子です。そして、それ以前にも、柴犬の警察犬は誕生していました。日本初(世界初)の柴犬警察犬は岡山県の二葉さん。
警察犬には、2種類あり、直轄警察犬と嘱託警察犬とがあるのですが、桃太郎くんと二葉ちゃんは、ボランティアで働いてくれる嘱託警察犬です。柴犬は、警察犬には不向き。今回の桃太郎くんのニュースでも、「頑固で人になる来にくい芝犬が採用されるのは全国では珍しい」と報道されました。
しかし、二葉さんの訓練士さんは、「二葉物語」でこう語ります。
「柴犬だからダメだ」とか、「柴犬だからこそ、やってみる」などと思ったことは一度もない。
一緒にやってみようと決めた相手が二葉で、その二葉がたまたま柴犬だった、というだけのことなのだ。
二葉さんを育て、訓練した訓練士さんの言葉は、素敵です。きっと、桃太郎くんの飼い主さん・訓練士さんも、同じことを思ったのではないかと想像してしまいます。日本が誇る、日本を代表する柴犬警察犬は、「珍しくない」日が来るかもしれませんね。
桃太郎くん、頑張ってください。
柴犬が警察犬になれるとはすごいですね〜。柴犬は独立心が強い犬種なので、二葉さんの訓練士さんはすごいです。でも、柴犬は賢い忠誠心が強い犬種なので、案外警察犬に向いてるかもしれませんね。余談ですが、アメリカでは頭が良くないと言われているブラットハウンドやブルマスティフなどが警察犬になれているそうです。